休廃業 ~ 事業譲渡
【 事業承継・事業譲渡について 】
事業承継問題は、今や日本の中小企業の最大のテーマとも言われています。
国も、この問題には各種支援策を講じてきております。
更に、今回のコロナ禍で、その検討が全業種的に拍車が掛かってきている状況
とも言われています。
これらは非常にデリケートな問題であり、他者が軽々に口にするものではありません。
しかし、徒らにタブー視したり、目を反らし続けるのもいかがなものでしょうか。
現に存在している選択肢であり、国も積極的にサポートしている以上、
正しく検討してみることは、決して、ムダなことではないと思われます。
【 廃業に掛かる費用は1000万円? 】
休廃業は、決して「負け」ではありません。
「倒産」は負けかも知れませんが、「休廃業」は、あくまで経営者として
下した勇気ある「決断」に他なりません。
しかし、その休廃業についても相当のコストはかかります。
休廃業に係る主な費用;従業員への退職金、賃借物件の原状回復費用、設備の除却等。
中小企業庁や他の報告では、従業員10名未満でも、1000万円以上の経費が掛かったケースも少なくなかったことが明らかになっております。
もし、後継者不在等で、休廃業を検討せざるを得ない場合、
まずは、廃業に関わる概算費用を試算されることをお勧めします。
その結果次第で、事業譲渡、M&A等についても検討することが合理的と思われます。
試算については必要あれば、サポートいたします。
休廃業のデメリットとしては、オーナーが負担する、これらの費用の他に
社会的に有意義な存在であった企業が消失することによる社会的損失があります。
失われる社会的価値としてはー
雇用していた従業員(国家資格、各種検定基準等取得者もいらっしゃるでしょう)
得意先との繋がり、信用、仕入れ・外注先との関係、諸設備の導入稼働状況等
特許等知的財産権、ノウハウ、技術 etc
これらは一般的に「経営資源」と呼ばれているものです。
この貴重な「経営資源」が他に継承されることなく、一方的に失われることは
社会的損失以外の何物でもありません。
つまり、社会的損失≒自社の「企業価値」の毀損・消失。
一度、自社の企業価値を試算し、先の廃業費用と比較して、
事業譲渡、会社売却について本格検討を進めてみては、いかがでしょうか。
【 会社・事業の価値 】
いずれにせよ、自社の価値を知ることは有意義です。
事業あるいは企業、特に未上場企業の場合、その価値の算定方法にはいくつかの
種類があります。
相続税における株価算定方法は「類似業種比準方式」(上場企業の株価との比較)です。
が、M&Aの場合は、業態等により、他にも様々な計算法が用いられます。
大きく分けると
・純資産方式 企業のストック、解散価値に着目して算出する手法
・収益方式 将来のキャッシュフロー(利益)に着目して算出する手法
・配当還元法 将来の配当に着目して算出する方式
ですが、これらは細分化されて、より精緻な手法が開発されており、
更に、それらを組み合わせた手法もあります。
ここでは、詳細は割愛しますが、関心ある方は適宜お問い合わせください。
一旦、事業(企業)譲渡を決断されたら、次は「少しでも高く売りたい」と希望するのは自然な流れです。
そこで色々と相手を探して、交渉する作業が必要になります。
M&Aにおける売却価格の交渉は上記の企業価値の算定からスタートします。
つまり、なるだけ高く売りたいなら、企業がより健全で、評価が相対的に高い時が
「売り時」と言うことになります。
今回のコロナ禍と言う非常事態においては、既に見てきたように、延命の為の手段として制度融資やリスケと言う選択肢もあります。
しかし、事業譲渡と言う観点からは、むしろ、企業価値の減少に繋がりかねない、
それらの手段には目もくれず、一刻も早く売却交渉開始することが得策です。
ご自分が苦心して築き上げてきた企業を、少しでも高く売るためには。
【 相談窓口 】
これらの事業譲渡、M&Aについて、知り合いの同業者同士で相対でやることは
煩雑な譲渡先探しの手間もいらず合理的と言えますが、
一方では価格の妥当性については、検証・担保されない一面もあります。
因みに、全国の都道府県に「事業引継ぎ支援センター」が(各地の商工会議所、
産業振興機構等に)設置されていますので、そこを利用するのも一つの方法です。
差し支えなければ、「秘密絶対厳守」の上、最初のご相談だけ伺い、
そのニーズに応じて、直接、当方がコネクションを持つ、それぞれの分野の専門家を
紹介し、取り次ぐことも可能です。
専門家とは、例えば、金融機関、経営コンサル団体、M&A仲介業者等です。
これらの専門家は、殆どが先の「事業引継ぎ支援センター」と提携・受託しており、
上場企業乃至50年以上の業歴を有する業界のトップ団体等、いずれも、
信頼に足る業者・機関です。
また、最初の相談段階は無料ですが、本格的に譲渡にむけての業務開始段階に
なりますと有料サービスとなります。
国が講じている事業譲渡の為の各種支援策については別の機会に紹介したいと思います。
【 事業承継者への名乗り 】
なお、これまでと逆のケースとして、将来の為に譲渡希望者の受け皿=譲受者(承継者)となるべく、予め手を挙げておきたいとご希望される方も、この機会にお申し出ください。
M&A仲介専門業者等にお引き合わせ(取次)させていただきます。
これにより、希望に沿った案件が出てきた際にM&A業者から声がかかることになります。
取次自体は無料です。
勿論、秘密厳守はお約束します。
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